第4回 出演者紹介

Music / Carmen McRae


夏の空は青過ぎるくらい青くて見てて気持ち良いです。
雑草の青臭さや、打ち水をした後のアスファルトのにおい。
農道が気持ち良過ぎて松崎しげるさんくらい肌が黒くなってきました。
smokeです。
2012年、人生で一番日焼けしております。

今回で最終回!
それでは2組の出演者を紹介して参ります☆☆☆☆




ナランチャ


 
 私が知る彼はいつもアバンギャルドな方向から音楽と対峙していた。
今はゴミ箱で作ったベースを弾いていると聞く。
確か彼の演奏を始めて見た時はディジリドゥを吹いていた。
当時の自分に良さは判らなかったが、今にして思えば凄い体験をしているのだ。
同い年の青年達がギターで弾き語りをする中、
一人ディジリドゥで立ち向かうのはなかなか度胸が要るだろう。

 会えば気さくに話してくれる彼だが、何処か腹は見せないと言ったような印象がある。
( 私にそういう所が多分にあるので、そのせいなのかも知れないけれど )
「思い通りになると思うなよ!」といった気迫、気概を感じる。
勘違いかもしれないが、私はソレが好きだ。

 そんな気迫のこもったディジリドゥの演奏を聞いた夜、
康平君の運転する軽トラの荷台に乗る事になった私とナランチャ
真冬の田舎道、寒いという事もあるけど、一応バレないようにと、荷台に伏せる二人。
走り出して暫く、ナランチャの手が何故か私のケツをまさぐっている。
何度か「オイ〜やめろよ〜笑」をやった後、あんまりしつこいんで
「コルァ!やめろや!」と若さ故、怒鳴ったりした。
ナランチャはニヤリと笑って「ゴメン、ゴメン」と言った。
寒風吹きすさぶ田舎の山道、友達の運転する軽トラの荷台で男にケツを触られて怒鳴る。
なんだか完璧じゃないか。



寺田遼一


 このイベントの主催者にして、演者の中で一番古い友人です。
この記事を見てくれている皆様方は当然、彼の不思議な魅力はもうご存知でしょうから、
今まで以上に、私から敢えて何か申しあげる事もないんでございますが、
一言で申し上げますと、恐らく天才と呼ばれる類の方です。
皆様各々に天才の定義があると思いますが、とにかく変な人です。
 
 そんな彼とは非常に印象的な出逢い方をしまして、
もう方々で話しているのですが、非常に彼らしいその時のエピソードを。

 彼と初めて会ったのは15歳の頃、当時高校一年生の春。
クラスの自己紹介で私が
ビートルズが好きだ」
と言った事に反応してくれたようなんですが、
ご存知の通り、彼はシャイで、どうも気が弱い所がありますでしょ?
それはもう昔から大変に気の弱い少年でしたので

寺「自分ビートルズ好きなんやー?他どんなん聞いてんのー?」

と、こう軽い感じではいけない性格です。
そこで彼なりに精一杯、何かしらアピールする方法を考えてくれたんでしょう。
 
 後日、まだクラスの者も全員が打ち解けているわけではない、
なんなら右も左も分からない、何が良くて駄目なのかもよく判らないような頃に
寺田君、休み時間になりますと突然ツカツカッと掃除道具入れに直行しまして、
その中からアコースティックギターをヌッと取り出すと、
そのまま私の所までポロポロ弾きながら流しのスタイルでやって来たのである。

近くの席の者と談笑していた私のすぐそばで
「プリーズプリーズ・ミー」を弾きながら立つ寺田君。
それを横目に大口は開けないまでも、硬直し、文字通り呆気に取られる私。
ふと彼の足下を見ると何故か足がクロスしている。

「な・・なんなんだ!?コイツは!?」

まさに衝撃的だった。
だいたい意味が判らなかった。
正直、まだ寺岡君なのか寺田君なのかすら曖昧だった。
そんなマッシュルームカットにメタルフレームのメガネをかけた中肉中背の男が
「お願いだよ〜」
と歌っている。
しかも声が超〜〜ちぃせぇの。

しかし、そこは血気盛んなナニワの高一男子ですから舐められてる場合ではありません。
「コイツ絶対笑かそうとしてるやんけ・・絶対笑ったれへんからな」
と、私は私で屈折したお笑いへの愛故に、そんな勘違いをしておりまして。
私としては意地悪いつもりで、真面目に受け答えしたのが始まりでした。
寺田君からするとそれで良かったわけなので、なんの問題も無かったのですが。

 そんなこんな仲良くなって話していくウチにどうも本当に音楽が好きで、
中学の頃から作詞作曲もしているという事がすぐに判った。
しかもその曲というのがありふれて無くて凄く良い。
「君もやってごらんよ」
という言葉に乗せられて私も作詞作曲なんて事を始める事に。


寺田君が中尾君とナランチャと共に組んでいたバンド「空間の拡大」ライブにて。
両脇は若かりし日のsmokeと康平君。



少年 / GEISHA GIRLS


あれよあれよと時は過ぎて、今では彼がイベントを主催するようになりました。
そんな古くからの友人、イベントの主催者である寺田遼一が
当日はとても素敵な一日を演出してくれるかと思います。

どうぞ皆様お誘い合わせの上ご来場される事を出演者一同、心よりお待ちしております。